制服とリクルートスーツから見える社会

今年になって学校の制服見直しの報道が相次いでいる
社会がちょっとづつ変わり始めている

たくさんの中から制服の見直しに関する報道の一部をご紹介
2021年1月21日 福岡市の市民団体が合理的な理由が説明できない制服や校則の見直しを求める要望書を福岡市教育委員会に提出(西日本新聞社)
2021年3月26日 高校生、教員、弁護士らが制服と私服の選択制を求める要望書と署名を文部科学省に提出(弁護士ドットコムニュース)
2021年6月30日 LGBT当事者、保護者、主治医らで作る団体が制服や校則の見直しを求める要望書と署名を富山県知事に提出(中日新聞)
2021年7月30日 教員や中学生による有志グループが校則や制服に関する要望書と署名を岐阜県教育委員会に提出(朝日新聞)
2021年11月9日 トランスジェンダーの大学生が制服選択制の導入を求める要望書と署名を東京都教育委員会に提出(毎日新聞)

一方、文部科学省は2021年6月8日に各都道府県教育委員会に通知(事務連絡)を出した
●校則は、教育目的を達成するために必要かつ合理的な範囲で定めるもの
●報道等で校則や指導が必要かつ合理的な範囲を逸脱しているとの指摘がある
●児童生徒の心身の発達過程にあり、集団生活の場であることから指導や校則は意義あるもの
●児童生徒が自主的に守るように指導し、守らせることのみの指導になっていないか注意が必要
としたうえで
●児童生徒の実情、保護者の考え、地域の状況、社会の常識、時代の進展を踏まえて積極的な見直しが必要
●見直しは校長の権限で行うもの
●児童生徒が話し合う機会を設ける、PTAにアンケートするなどの例を示す
として都道府県教育委員会を通じて各校に見直し検討を促している
文部科学省「校則の見直し等に関する取組事例」(事務連絡)はこちらからどうぞ(リンクします)
関連:文部科学省発の性同一性障害の児童生徒への対応の通知(2015年4月)はこちら( リンクします)

文科省の言ってることは、何ともわかりにくい
世の中が変わって生徒、保護者、マスコミがいろいろ言ってるから各地で見直してくれってこと
多くの人たちが時間とエネルギーを費やして活動してきてやっと少しずつって感じ
だけどみんなの頑張りで流れは一気に変わったみたい
NHKの調査(2021年9月報道)では4割の都道府県が校則見直しに取り組んでいるとのこと
学校単位で校則を見直しているところも多数
見直し理由を訊ねると、その一番は「文科省からの通知があったから」なんだと
子どもや若者に「自主性」「主体性」なんて言っていながら・・・大人たちはどうなんだろう
声上げて行動しないと社会は変わらない
みんなでたくさん話し合って、居心地良い学校にしよう
学校も校則もあなたたちのもの、学校はみんなの大切な居場所

さてリクルートスーツはというと、制服のようにお揃いの白シャツと黒っぽいスーツ
思い思いの髪や服装、アクセサリーで個性を表現している若者たち
就職活動中は、髪色や髪形もみんな同じになってしまう
どうして???
採用選考では個性や独自性の発揮を求められのに服装や容姿はみんな一緒
なぜ??? この国、この社会では自分らしさをアピールしにくい圧がある

日本経済成熟期の1970年代半ば、多くの会社員が制服がスーツ姿で働くようになった
就職協定や一括採用が始まり、同じ時期に一斉に就活を始めるスケジュール化も進んだ
それまで学生服などで面接に臨んでいた学生が競うようにスーツを求めるようになったらしい
そこで大学生協ががく就活学生向けにスーツを共同購入で安く販売し始めた
これがリクルートスーツの生まれと言われている
*「リクルートスーツの社会史」(田中里尚 青土社) 読んでみたい方はこちら(本屋にリンク)

いつしかデパートや洋服店がこぞってリクルートスーツを販売し始める
就活セミナーでは、服装、髪形、靴やバッグなど隅々まで細やかで画一的なアドバイスがなされる
誰が決めるでもなく白シャツにダーク(黒)スーツが定番となる
女性はタイトスカートにパンプス、髪は黒色できっちりまとめることが最適とされる
何かおかしくないか?

服装や髪形も自分の一部 もっと自由に「自分らしさ」や「個性」を見せていいはず
リクルートスーツ着なくていい・・・でもひとりで頑張るのはキツ過ぎる
強制されてはいないけど、ものすごい無言の力を感じている
「おかしい」と思ったら、「嫌だ」「つらい」「苦しい」と感じたらそう言ってもいい
声を上げる人たちがいる・・・がんばろう・・・必ず社会は変わる
就活でのジェンダー規範やセクシズム(性差別主義)にNO → こちらから(リンク)

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