「堀文子 画文集 命といふもの」(小学館)
忙しい時、疲れた時、迷った時、こころを癒やしてくれる一冊 ~ いのちを描き続けた日本画家 堀文子さんの『画文集 命といふもの』 をご紹介します。
『命といふもの』は、2019年に100歳で亡くなった堀さんが80才を越えてからその図抜けた観察力をもって春夏秋冬の草花や野菜、果物、虫などを精緻に描いた画にそのとき感じたことを記した随筆を添えたものです。
その画からは、子どもの頃には漠としか感じな得なかった生きる者の在り様が力強さをもって伝わってきます。
添えられた随筆文には命を尊ぶ言葉があふれ、ときに堀さんの世界観に触れることができます。
関東大震災、二・二六事件、東京大空襲を生き抜き、結婚、夫との死別、世界の旅、イタリア生活を経て、最後に住み付いた神奈川県大磯の山裾で本書を描きました。
ときにコンクリート詰めの都会で無感動、無機質に生きる現代人の姿をいぶかしげに語ります。
戦争を若者を使った殺人、人災とし、不戦を訴えたひとりでもありました。
今ここにある命を脚色なくそのままに描くことで、生きることを軽んじて傲慢に振る舞う人類に警告を発しているようにも感じます。
第3集までの3冊を「さくらワーカーズオフィス」に置いてます。
ここに来て本書を開いてみるのはいかがですか?
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